人気ブログランキング | 話題のタグを見る

北崎通信局

kitazaki.exblog.jp
ブログトップ

露出することと尊重することの違い

このことは、ブログに書こうかどうしようかとずいぶん迷った。
〈いのち〉を守るということで、先ほど思っていることを吐き出しその勢いもあって書くことにした。
今回の地震被害のことで、被災地〈北崎〉のことをもっと知って欲しいと私達は動いてきたし、動き続けている。
そのひとつは、被災した当初の地域のコミュニティーの素晴らしい結束力と、またその限界を。

露出することと尊重することの違い_c0033992_1412073.jpg大きな被害というものの、地元からは死者も大きなけが人も出ることは無かった。しかし、10日以上も家に戻れない人たちは大勢いた。戻れなくても戻っていった人たちも・・
なれない避難生活でみんなが大変な思いをしているときに、縁もゆかりも無い外の人たちの暖かい支援がどれだけ励みになっただろう。地元の人は本当に疲れきっていた・・・その現状も一部の関係者しか知らないことがたくさんある。

テレビや新聞では、より被害が大きかった地区の避難所ばかりが取り上げられる。それはそれで誰もが理解はしている。
西浦の避難所でも「玄界島はほんとうに大変やねぇ」という声が出る。しかし、お年寄の先の見えない避難所生活の辛さは被害の大きさに関係なく同じだと思う。まわりでは何もしてあげることが出来なくても、心情を察してあげることだけでも気持ちの負担は和らぐ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とても寒かった避難所生活、ご支援いただいた企業さんのことを書いて欲しい!」とお願いしたとき。
地元のお母さんとみんなの力で〈北崎は頑張ってます!〉はがきが出来たこと。
大きなイベントで北崎の現状も伝えたいとお願いしたとき

私が接触したマスコミさんは何か大きな勘違いをしていたように思える。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
露出することと尊重することの違い_c0033992_14281.jpg当時、〈みんなが応援していますよ!〉ということが新聞に載れば、どれだけの西浦の避難所の人が励まされただろう。そしていろんな支援の方法があることに、もっと多くの人たちが気づいてくれたはず。



中央区の避難所では、炊き出しや救援物資の申し出が多すぎるくらいで断っていたと知人の飲食関係者からも聞いた。
阪神や新潟とは違う今回の福岡の地震、もっと違う支援の方法はあったのだと思う。

今回、私達に協力してくださっている方達のほとんどがこう言っている。
「何かお手伝いしたかったのだけど、何が出来るのかわからなかった。良い機会を与えてくれてありがとう」と・・・・
私達は、自分達が露出したくて報道をお願いしたのではないことだけは理解していただきたい。そんなちっぽけな根性ではない。そうでなければ災害時のお手伝いなんて長期ではできない。
一方的な情報による思い込みや、偏ったボランティア活動についてもっと学習の機会が必要だと思う。

露出することと尊重することの違い_c0033992_1424157.jpg*はがきのこともそうだ。被災した方達が一方的に何かをしてもらうのではなく、被災地で生活をしている現場からの要望を、ボランティアと一緒になって作り上げていった。
それも地元の人が1枚50円で買うことで、これからの復興支援の財源にすることも。被災したからと人からしてもらうだけではなく、復興支援活動をともに支えるのだ。
「誰かに何かをしてもらえば、それをどうやって返せばいいのか」そんな律儀な人たちとこれからもお付き合いして行くには最良の方法だったと思う。50円で気持ちの負担が軽くなるのだから。

(実際、大変な中でボランティアの食事にまで気を使わせるわけには行かない)
露出することと尊重することの違い_c0033992_1425155.jpg
はがきにそれぞれの名前を入れたのも、そのことを伝えたかったのだ。自己顕示欲の為ではないことは理解できないようだ・・・
(どこにも露出することは無かった)

*屋外イベントの時は・・・
「北崎ばかりを取り上げるわけには行かないんですよ。今泉も大変なんですから。今度別の機会に北崎の方には紙面に登場してもらいますから。」
そうじゃないんだ、露出させるんじゃなくて〈尊重〉して欲しいのだ!
本当は最後まで言いたくは無かったが、こんなに大変な時期に、自社の営利事業のために北崎の生産者ににボランティアさせるのかと担当者に伝えたかった。
北崎からは既に10世帯もの人が外に出て行った。仮設住宅も今月の25日にしか出来ない。
露出することと尊重することの違い_c0033992_146966.jpg母の日に、玄界島の仮設住宅一軒一軒に青年会議所の人たちが“カーネーション”を配っている映像が繰り返し流された。

心優しい、花の産地〈きたざき〉、2つの漁港がある〈きたざき〉の人たちもテレビや新聞で見ていたはずだ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3姉妹のお母さんも、家の取り壊しが終わらずまだひっそりと仮の住まいにいる。もうじき3ヶ月がたとうとしている。
仮の住まいもエレベーターの無い5階建ての最上階。女所帯で引越しは大丈夫なのだろうか。おじいちゃんを受け入れる病院も無いといっていた。おばあちゃん、階段大丈夫なんだろうか?
お母さんがこれまでのめんたい工場に通うにも、1時間に1本のバスで片道400円近くのバス代がいる。
by hanataikoku | 2005-05-12 13:37 | 福岡県西方沖地震報告