
山笠の準備で博多の街はそわそわ、ざわざわしています。
博多部では長法被姿の男の人たちが颯爽と歩いています。6月から山が終わるまでこの格好は、一流ホテルだろうがどこだろうが出入り自由です。
1241年に承天寺の開祖・ 聖一国師が施餓鬼棚(せがきだな)に乗って博多市内をまわり、甘露水をまいて疫病退散を祈願 したことが始まりとされています。
それから、これからの夏ばて解消にはなんといっても博多名物“水炊き”です。お隣の国釜山でも雛鳥にもち米や朝鮮人参などを詰めてグツグツ煮た
“参鶏湯”は夏に食べる料理なんです。
〈水たき長野〉は山の人たちが寄り合いで使う古いお店です。


まずは前菜で、茹でた鶏もつが出てきます。こうとうねぎと生姜、ポン酢でいただきます。刺身で食べられる鶏なので歯ごたえが違います。前菜の後はまず“スープ”、あっさりと塩味で葱を散らしていただきます。


ぶつ切りの骨付き肉を炊いたものをもみじおろしとポン酢で食べて、それからミンチと砂肝、肝臓を食べるのがお約束。この他、骨無しの四つ身もお好みで。ずっとお姉さんが鍋に付いてくれますから食べるだけです。


臭みは全く無く、しかも歯ごたえのある鶏肉を堪能した後は、やっと野菜の出番です。博多の水炊きは白菜ではなく、きゃべつを使います。甘みがなんともいえません。白滝に焼き麩、豆腐に葱です。
そして〆はやっぱり“雑炊”。高菜の刻んだものと鶏雑炊の組み合わせは絶品ですね。
さぁ、これで夏をしっかり乗り切りましょう!
