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北崎通信局

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FSUNメールマガジンから

12月の広島で開催される国際理解教育セミナー関連ということで、最新メルマガをご紹介!

【「リトルボーイのピンバッヂ。」No More! HIROSHIMA! 再考】
 秋冷の候を挨拶につかってもよい時節になりつつある。この夏を振り返り、
今も腹の底から臓物が煮えたぎる思いの事柄がある。それは、朝日新聞社発刊
の「AERA」05.8.8号の記事に対する思いである。記事のタイトルは、「原爆無
知大国アメリカ」である。少し内容を紹介したい。

 前略。~ラスベガスの大通り。そこから車でわずか5分のところに「核実験
博物館(ATOMIC TESTING MUSIUM)」
はある。~中略~入場券売り場は、
ネバダ核実験場にあった警備員ブースの再現。キノコ雲をデザインした水着
姿の「ミス原子爆弾」等の等身大パネルが両手を広げて待っている。
入場料は、10ドル。パンフレットには館長の挨拶がある。「博物館の見学は
特別な体験を保証します。探検して楽しんで!」
~中略~最大の目玉は、「グランドゼロシアター」。暗くなるとカウントダウンが
始まる。「スリー、ツー、ワン、ゼロ」フラッシュのような閃光。
スクリーンではオレンジ色に染まったキノコ雲が立ち上がる。
~中略~「クール!(かっこいい)」後ろに座っていた小学生くらいの白人の
男の子がつぶやいた。

 いかがだろうか?アメリカは敵情関係になく、日米同盟は世界最強とも言わ
れる友人関係であろうに、この有り様はいかがしたことだろうか?もちろん、
この博物館で、広島と長崎に投下された原子爆弾が奪った人の命の数など展示
されていない。入場者には「原子爆弾のお陰でアメリカは戦争に勝てた」とい
う感想が導き出されるような仕組みである。原子爆弾の啓蒙のためにネバダ州
の実験施設から、わざわざカジノやエンターメントショーを楽しみに訪れる観
光客を狙って引越ししてきて大盛況である。

 以前の「No More ! HIROSHIMA !は正しく伝わっているのだろうか?」
コラムでは、広島から英国に渡った女性が、「HIROSHIMAから来た。というと
No More! HIROSHIMA! の語感や響きが、町全体が無くなったような風に
受け止めれていて、原爆が投下された事実だけが知られていた。
(悲惨な状況は当然伝わっていない)」とそのショックを伝えた。
本年は、原爆投下されて60周年であるが、原水禁原水協が別れての行動の
原爆忌であった。
イデオロギーは別にしても、命の尊さになんの思想の乖離があろうものか。
広島が、国内がひとつになれなくて、「No More! HIROSHIMA!」の思いが
伝わるのは100年たってもあるまい。
このもどかしく、慙愧にたえない思いこそ無間地獄だろう。
前出の博物館で一番売れるお土産は「リトルボーイのピンバッヂ」である。
いかにもかわいらしいデザインと名前だが、広島・長崎に投下された原子爆弾そのものの名前である。未だ伝わらない思いをいかにせん、また後世に。
by hanataikoku | 2005-09-12 13:00 | ボランティアの仲間たち