自己をならふといふは、自己をわするるなり。
自己をわするるといふは、万法に証せらるるなり
(自分を学ぶとは自分のことを忘れること。自分を忘れるとは、
あらゆるものによって目を開かれること) -道元-
鎌倉時代初期の禅僧、曹洞宗の開祖
西浦岡には〈道元屋敷〉や〈道元通り〉と呼ばれているところが残っています。
唐から帰国した道元が、7年ほどこの北崎に住んでいたのだそうです。
その記録は、本山の永平寺にも残っていないので、栄西禅師が開いた唐泊の
東林寺のご住職がいろいろと調べられた時の記録を、第1回北崎遺産認定・
郷土史家の高橋文二さんから見せていただきコピーまで頂戴しました。
ここ北崎は、道元だけでなく後々日本の仏教文化に名を残す高僧とのご縁が
とても深いのです。
唐に渡るには、博多の荒津を出て、必ず唐泊に停泊し風待ちをするのです。
今とはまったく海運事情の異なる、風任せの航海ですから・・・
帰国するときも必ず停泊します。
先週、たまたま福井の永平寺さんに行ってきたばかりでしたので、写真をご紹介
しようと思います。
3月とはいえ、まだまだ雪深い永平寺です。
あまりの雪の重みで、木が悲鳴を上げて裂けているのがあちらこちらに・・・
若い雲水さん達が静かに廊下の左側を通るのに、何度か出くわします。
屋根の雪解け水が、心を静めてくれます。
雲水さんにはカメラを向けることは禁じられています。
すれ違う雲水さんと、幾度と無く目が合ってしまうのですが、不思議な感じです。
この奥は観光客の立ち入りは禁じられています。
2度目の永平寺でしたが、秋と冬ではまったく趣が違います。
昨年来たときに、あまりにもお手洗いの掃除が行き届いていて感動したので、
今回初めて本山を訪れた母に、ぜひ入ってみるようにと促したのですが・・・
便器も床もピカピカなのですが、観光客の脱いだスリッパがあまりにも悲しくて・・・
静かに修行をしているところに大勢の観光客がひっきりなしに訪れます。
拝観料を払い(パック旅行だと払った実感さえないのかも)ざっと見回し、
フラッシュ厳禁の場所でも、かまわずパチパチ!
一通り廻ったら一目散に、お守りやお数珠にお線香などのお買い物です。
何かが違う、絶対違う・・・・・